Saki Watanabe

渡部 沙樹

CCG HONANDO 営業職

ご要望の「奥底」に隠れている部分を
推測しながらヒアリング。

CCGグループの印刷サービス企業・CCG HONANDO関東営業部の営業として、主に受注した印刷物の見積もり作成から納品までの工程管理や、顧客のニーズに合わせた印刷物の企画・提案を担当しています。

この仕事をしていると、私たちにとっての常識は、お客さまにとっての常識ではないことに気づかされます。例えば中綴じのパンフレットを印刷したいというご要望をいただいた場合、通常は4色印刷した後に表紙面を保護するためにニス加工を施しますが、4色印刷したら納品と考えるお客さまも少なからずいます。

もちろん、ニス加工をせずに印刷することもできますが、利用する目的やシーンによっては、裏移りや色落ちが発生することも。お客さまは印刷会社とは限らないため、ヒアリングする際はご要望の奥底に隠れている部分を推測しながら、情報提供・収集を行う必要があります。

その一方で、現場との調整も営業が担う大事な仕事。お客さまとしては、もちろん早い・安いに越したことはありません。ですが、印刷機械の空き状況によっては予定を遅らせるしかありませんし、加工を施すには費用がかかります。それがお客さまの要望とかけ離れていない限りは、印刷・内職現場や加工会社一つひとつに確認を取り、必要に応じて交渉します。

製品を納品するまでにはさまざまな工程があり、ひとつの工程の遅れが後工程に影響を及ぼします。全工程と調整を行うのは大変ですが、お客さまと現場の意向をすり合わせて製品が完成させる過程にやりがいを感じますし、お客さまからいただいたうれしい評価を現場に共有する時は大きな達成感があります。その意味で言うと、お客さまと現場の間に立ち、それぞれの想いをひとつの製品にするというのが、CCG HONANDOの営業に求められる役割なのかもしれません。

小さな気づきでも
取りこぼさずに対応して、
代理店からの案件増に貢献。

CCG HONANDO関東営業部では、これまでの印刷・製本だけでなく、上流・下流の担保による印刷サービス業への進化をテーマに改革に取り組んでいます。お客さまも印刷会社だけでなく、代理店へのアプローチに注力しています。私が入社して1年目に担当したクライアントも代理店でした。

お客さまからご依頼いただいたのは、アイドルのステッカー印刷。すでにデータは完成しており、あとはご希望の枚数を印刷するだけという状態でしたが、当社にはステッカーを印刷した実績が少なく、協力会社も初めての取引先。芸能関係の印刷物は色の再現性など厳しい品質基準が求められるため、不安を抱えながらも「せっかくお声かけいただいたからには満足していただきたい」という一心で担当したことを覚えています。

無事納品したのも束の間、何度かお仕事をするなかで、ステッカーの色味やスケジュールについてご指摘が入るようになりました。明確には言われていないものの、その表情や声色からお客さまが求める製品レベルに達していないことを感じ取り、他の協力会社を探すことに。試しに印刷していただくと、これまでとは全く異なる仕上がりに驚きました。「印刷の機械を変えるだけでこんなに仕上がりが変わるんだ」と気づくとともに、お客さまが目指している色味だとわかり、協力会社を変えました。お客さまにも喜んでいただき、現在も私のメインクライアントとして、ステッカー以外にもさまざまなお仕事をいただいています。

この案件を通じて、小さな気づきでも取りこぼさずに対応することの重要性を学ぶことができました。また、実績や前例が少ないなかで、考えるよりも行動したことが結果につながったのだと受け止めています。お客さまからの問い合わせに対して、「当社では難しいです」と答えるのは簡単ですが、「実績はありませんが、お見積は出せます」「先にサンプルを作ってみました」という姿勢で臨んだからこそ、お客さまの信頼獲得につながったのだと思います。

入社して3年ほど経ち、知識量と対応力に優れた上司や、プリプレス出身のデータに詳しい上司に囲まれるなかで、「自分だから提供できる価値」を模索するようになりました。足りない知識を補うために、印刷会社や製本会社が開催する印刷物の展示会に参加することも。常にアンテナを張って新しいもの・面白いものに意識を向けるようにしています。今後は、自分だから提供できる価値を見つけ、「渡部さんだから発注したい」と言ってもらえるようなお客さまを獲得することが目標です。